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種子島へはロケットに乗って その1~ 鹿児島から西之表港 [はるばる来たねロケ地巡り(秒速5センチメートル)]

新しい職場に入って早1か月、ひたすら知識を取り込む日々です。
世の中にこんなに知らないことがあったのか、というほどです。
疲れますが、知的好奇心をイヤと言うほど満たしてくれるので、楽しいですね。
そんな日々の疲れを癒すために、年末年始はヨメと二人で北海道へ
温泉三昧の旅に出かけておりました。その話はまたいずれ。


鹿児島が舞台の大河ドラマ「篤姫」も始まりましたね(面白いです)

さて、「秒速5センチメートル」ロケ地をたずねての旅は(忘れかかってますが)、
いよいよ鹿児島県に突入です。熊本を11:57に「リレーつばめ41号」で出発し、
新八代に12:17着。ここでとなりのホームに停車中の、九州新幹線「つばめ41号」に乗り換え。
2011年の博多~新八代間の開通までは、この駅が新幹線の玄関口をつとめます。


ホームでは「つばめレディ」がお客様をご案内

3年前に、JR乗りつぶしのために慌ただしく乗った、九州新幹線「つばめ」。
今回は少しゆっくり走る各駅停車タイプ(速達タイプは川内のみ停車)でしたが、
それでも40分ほどで鹿児島中央駅に着いてしまいます。
和のテイストあふれるゆったりした車内を、もう少し味わいたいものです
(全通後は博多まで運用が拡大されるそうです)。


平日の昼間ということもあり、車内は閑散としていました

12:20に新八代を出発した列車は、13:06に鹿児島中央駅に到着。
東京からはるばる1468.2km、19時間かけてやって参りました。
「つばめ」の車内検札のとき、車掌さんに

「これはこれは、遠路はるばるお疲れ様です」

とねぎらっていただきました(笑)。

ここでいったん、鉄道の旅はお休みです。
いよいよ種子島へ向かう高速船に乗り込みます。


九州新幹線のイメージキャラクター、「こにたん」こと小西真奈美さん(鹿児島出身)がお出迎え

3年ぶりに再会した、800系「つばめ」。
前からのアングルをおさえたかったんですが、厳重に安全柵がたててあって
近づけません(新八代では柵がないので撮れるんですが・・・)。


車体に輝く、和のテイストあふれるエンブレム(白地に筆文字、シンプルでかっこいいです)


フィルムカメラの超広角でむりやり撮影

鹿児島名物が所狭しと並んだ、駅のお土産街を抜け、とりあえず市内に
出ることにしました。高速船の出港時刻は15:50。だいぶ時間があったので、
駅近くのトンカツ屋で定食を食べたあと、鹿児島に来れば行こうと思っていた場所へ。
市電に揺られ、「水族館口」という電停で下車しました。


中央駅から市内への移動は、路面電車(鹿児島市営)が便利です

鹿児島市と言えば、市内いたるところで温泉がわき出すことで知られています。
私はよく旅先で公衆浴場のお世話になりますが、普通はボイラーで沸かすお湯も、
ここ鹿児島市では温泉なのです(!!)しかも源泉温度が大変高いので、
ほぼかけ流し状態。原油高で廃業する銭湯が相次ぐ中、なんともぜいたくな話です。
そんな温泉浴場が、電停から10分ほど歩いたところにありました。


「かごっま温泉」さん(面白い名前ですね)、330円で体の芯まで温まりました
ビルの1階にあり、上の階には素泊まりすることもできるようです

前夜からの体調不良も、温泉パワー(?)のおかげか、徐々に回復に向かってきました。
初体験の高速船が、いったいどんな乗り心地なのか想像できず、もし体調が回復しなければ、
この日の種子島上陸は延期にしようかと思っていたぐらいでした。



市内で普通に見かけた、「宅地内降灰指定置場」の看板。
鹿児島のシンボル・桜島は、いまだ活動を続けている立派な火山。
よって山のご機嫌が悪いときは、空から火山灰が降ってくる土地なんです
(鹿児島のTVの天気予報では、桜島上空の風予報、なんてのも流れていました)。
大量に降灰があったときは、市役所から灰を入れる袋
(灰を克服する、という意味をこめて「克灰袋」と言うそうです)が
各家庭に配られ、ここに置かれる訳です。
よそ者が見ると、カルチャーショックを受けますね・・・。

高速船のりばから見た桜島

「かごっま温泉」から15分ほど海に向かって歩いていくと、
種子島行きの高速船のりばに着きました。平日昼間の便なので、そんなに混んでない
だろうと思っていたら、そんなことはない、待合室は座れないほどの混雑でした。


お客さんはお年寄りが多かったですね 

鹿児島から種子島への高速船は、現在2社がシェアを争っています。
「トッピー」を運航する鹿児島商船と、今回私が乗船する「ロケット」のコスモライン。
のりばも両社が向かい合わせでカウンターを設けていて、まさに火花散る状態。
そのおかげで最近は料金も下がり、利用しやすくなったそうですが、
2006年4月には「トッピー」が海上浮遊物(流木らしいです)に接触事故を起こして、
船内の全員が負傷するという惨事が起こりました。
だから今回は「ロケット」にしたんですが(運賃も少し安い)、とにかく無事故
種子島に着くことを祈るばかりです。


桟橋では、珍しいさつま揚げの立ち売りおじさんがいました(よく売れてました)


よく売れていた一袋150円のさつま揚げ、私もつられて買ってしまいました

私が今回乗船したのは、三隻就航しているうちの、「ロケット2」。
船体には「BOEING」(ボーイング)の文字がありました。
ボーイングと言えば航空機と思っていましたが、高速船も造っていたんですね。
「929シリーズ」という、ベトナム戦争で活躍した軍用パトロール艇の流れを汲む、
非常に歴史のある高速船だそうです(愛称「ジェットフォイル」)。

2基のガスタービンエンジン(7600馬力!)でウォータージェット推進機を
ガンガン動かして進み、船底の前後に付いている水中翼で、水の上に浮かび上がることで、
高速航行(時速80キロ以上!)を可能にしているそうです。

船内もどこか航空機に近い雰囲気

初めての船内に、少し緊張しながら出発を待っていると、やがて船尾から

「ウィーーーーーン」

という、戦闘機の爆音(我が家の上空は、時々空自のF-15が通過していきます)の
ような、けたたましい音がこだましてきました。そのもの凄さに、緊張感倍増(笑)。
「ベルト着用」のサインが点灯し、もう後戻りできません。

天気はまあまあ良かったんですが・・・

15:50、「ロケット2」はゆっくりと岸壁から離れ、種子島への船旅が始まりました。
間もなく客室乗務員さんからアナウンスがあり、

「本日強風と高波のため、船体が大きく揺れるおそれが・・・」とのこと。

あーーー、やっぱりやめとけばよかった!
なんて言ってももう遅い。


薄暮の大隅海峡を、「ロケット2」は爆走していきます

港を出て外海に出た途端、すさまじい揺れに襲われました。
私は船の揺れには割と強い方なんですが、今回のはまったく経験したことのない
タイプの揺れでした。高速航行のせいで、小刻みに大きな揺れがやってきます。
座席にしがみつき、冷や汗をタラタラ流しているよそ者のとなりで、
地元の乗客の方々は、さっさと眠りにつく人、平気な顔で新聞を読む人、
のんびりトイレに立つ人(ベルトを外す気になれませんでした)。

音楽でも聴いて、気を紛らわそう・・・と思ったら、愛用のi-podは電池切れ(泣)。
しょうがないので、ひたすら外の風景を眺めていました。


17:25、無事種子島・西之表港に着岸しました

水平線の向こうに種子島の姿が見え始めた頃、「ロケット2」が急減速!
どうやら大波が来たらしく、それを回避するためだったようです。
「トッピー」の事故が脳裏をよぎりましたが、すぐに何事も無かったかのように出発。
長い長い1時間半に耐え、ようやく種子島上陸を果たしました。


上陸して最初に見た空は、関西とは比べものにならないぐらい高かったです

高速船のりばから10分ほど歩いて、今夜の宿、「民宿みゆき」さんに到着。
宿の看板に灯りが入っていなかったため、「忘れられているのか?」と
心配になりました(前に紀伊長島の旅館に泊まったときも同じ目に・・・)。
恐る恐る玄関を開けると、おかみさんがちゃんと待っててくれました。
この日は長期滞在の方以外は、私一人しか予約が入っておらず、

「ごめんごめん、看板灯すの忘れてたわー」(種子島なまりで)

いきなりおおらか島モード全開ですね(笑)。


部屋にはちゃんとコタツと毛布、素泊まり3000円と格安

夕食は宿では用意できないので、近所の「魚匠一条」というお店を紹介してもらいました。


ひょうたんでできた「営業中」の看板が渋いお店です


カウンターに案内してもらうと、この日港に揚がった魚たちがお出迎えしてくれました

お店おすすめの刺身の盛り合わせを注文し、
島特産の焼酎と一緒に、といきたいところでしたが、明日からの島めぐりにそなえて、
ホットウーロン茶でガマンしました(泣)。刺身はさすがは港町、京都で食べる刺身とは、
味・歯ごたえとも比べものになりません。しかもリーズナブル。


ごちそうさまでした!(九州特産の「あまくち」醤油でいただくのが、地元の方の流儀だそうな)

本当にいろいろあった一日でしたが、予定通り島にたどり着き、
美味しい魚にもありつけて、幸先の良いスタートになりました。
この日はぐっすり休んで、いよいよ次の日から、スーパーカブでのロケ地探訪の旅、
スタートです。お楽しみに(つづく)。

 


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す~

遠征&更新お疲れ様です。

ついに種子島編に入りましたね!
もちろん、移動編も楽しく読ませていただきました。温泉羨ましい・・・
私の家がJR山陽本線沿いにありますので、もしかしたら近くを通って行かれたのかも?と思うと、少し嬉しく思います。

海上移動手段となった船の名前は「ロケット」、バイクは「カブ」とやはり秒速的で・・・さすがです(笑)
空が青く澄んでいて非常に綺麗ですね~!
一度はこの目でも見てみたいものです。
刺身が本当に美味しそう!

更新と共に新しい職場の方も、体調に気をつけて頑張ってください。
これからも楽しみにしております。
長々と失礼いたしました!
by す~ (2008-01-22 23:48) 

tank

す~様>
あたたかい励まし、ありがとうございます。
早くアップしてしまわないと、行ったときの感動が薄れてしまうのと、
次のネタにいつまでたってもすすめないので・・・続きもちょっとずつ
書いているので、楽しみにしていてください。

新しい職場ですが、今はまだ残業もなく(試用期間なので)、
とにかく知識を取り入れることと、職場の人とコミュニケーションが
とれるようにしようと、必死の毎日です。
ただやる気や学んだことは評価してくれる会社なので、
なんとかやっていけそうな気はします。頑張ります。
by tank (2008-01-23 23:05) 

NO NAME

種子島に行こうと情報収集中にここを発見しました。
疑問点や不安点について欲しかった情報が手に入りました。
感謝です。自分もいろいろ見つけてみます。
冬です、栃木人としては岩舟にもチャレンジしていただきたいです。
雪でも電車は滅多に(まったくといって良いほど)止まりませんので。


by NO NAME (2009-01-11 15:31) 

tank

コメントありがとうございました。
拙い文章ですが、参考になって幸いです。
更新放置中ですが、近日中に再開予定ですので。
実は先週の土日に東京方面へと遠征(坂本真綾さんのライブ)しました。
もし雪が降れば岩舟へ行こうと思いましたが、残念ながら実現せず。
いつか雪の積もった岩舟が撮ってみたいです。
by tank (2009-01-28 00:53) 

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