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ふるさと銀河線 明日で廃止だそうです [歩いて撮ろう(鉄道編)]

「北海道ちほく高原鉄道 ふるさと銀河線」

なんとも長い名前です。1989年に北海道初の第3セクター鉄道として、

地元の期待を集め開業した路線です。元々は今から100年近く前に、

旧国鉄が開業した路線で、「池北(ちほく)線」と呼ばれていました(池田~北見

を結ぶから)。しかし旧国鉄の財政悪化、沿線人口の減少とクルマ社会への

転換など、利用客は減少の一途。国鉄はこの線の経営をあきらめ、地元

自治体などがお金を出しあい、なんとか路線を維持してきましたが、

積み重なる赤字と車輌の老朽化(日本一寒さの厳しいところなので、他の所

より傷むのが早くなるそうです)でついに明日の運転を最後に

路線は廃止されることになってしまいました。

 北見駅停車中のCR70形気動車

 なぜこの話題を、「歩いて撮ろう」第1回のテーマに選んだかというと、

大好きな北海道の路線、そして地元の人たちの生活を支えるローカル線

だからです。社会人になって以降、京都に住んでいながら、

毎年のようにフェリーや寝台特急に揺られ、北海道に通っていました。

その記念すべき1回目の北海道旅行(今から約9年前)で、池田~北見の

間を乗車する機会に恵まれました。当時すでに乗客は減り始め(沿線の人口

が過疎化で減ったことも影響したようです)、経営難がささやかれていました。

それでもこの鉄道会社では、全線通しのきっぷを買った人に、抽選で地元の

特産品(かぼちゃ、豆、じゃがいもなど、なんとも北海道らしいですね)を

プレゼントしたり、一口3000円で個人サポーターを募り、駅のモニュメントに

その名前を刻んでくれるサービスなど、切ないまでの努力で、今日まで鉄路を

守ってきました。しかし沿線に目立った観光地もなく、JRのきっぷで

乗車できないなど、あえてこの路線に乗ることもなく、いつしか記憶から

消えていました。

時は流れ、2005年。結婚を控え、新婚旅行先に選んだ北海道の

観光ルートを決めていた頃、「ふるさと銀河線 来年限りで廃止か」

ニュースが舞い込んできました。何とか走り続けてほしい、そんな願いもこめ、

個人サポーターに夫婦の名前で登録し、地名の響きの美しさにひかれ、

「陸別駅」のモニュメントにプレートを設置してもらいました。

この陸別、「日本一しばれる(寒い)町」をキャッチフレーズに

(冬期間の最低気温の平均が、日本で一番寒い町、だからだそうです)

お祭りや東京からのツアー旅行、そして澄んだ空気を生かし、星を観る

ための天文台も設置され、観光需要の掘り起こしに頑張っておられます。

ふるさと銀河線がなければ、おそらく訪れることのなかったであろう、

北海道の小さな町。鉄路はそんな人と町、

人と人の出会いもつないでくれていました。

しかし新婚旅行出発直前の3月末、廃線が正式に決定。モニュメントは

永久保存されるそうで(新婚旅行で駅を訪れたとき、ちゃんと設置してあるのを

確認しました)、この鉄道を守ろうとした地元の人たちの思い、私たち夫婦の

思いをしっかりと引き継いでほしいと思います。5月の末、まだまだ寒さの

残る北海道でしたが、車窓にひろがる美しい風景や、澄んだ空気を

思う存分堪能してきました。

 

ここ数年、日本各地でローカル私鉄の廃線、魅力的な列車の廃止が

相次いでいます。採算性、効率ももちろん大事ですが、

「おらが街に鉄道が走っている」 ということがどれほど大事か、

そこに住む人たちの支えになっているか、もう少し考えるべきでは

ないでしょうか。陸別町もあさってからは、 「鉄道のない町」 になります。

その言葉の重みを、銀河線の美しい車窓風景を思いだしながら書きました。

さようなら銀河線、ありがとうございました。

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