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夏の想ひ出 その3~天かける国鉄の風 餘部鉄橋(パート1) [歩いて撮ろう(鉄道編)]

前の晩は、結婚1周年とちょっとのお祝いも兼ねて、
海鮮炭火焼とお刺身でしこたま飲みました。
カニは時季外れの冷凍物だったので今ひとつでしたが、
やっぱり海が近い町はいいですね。
香住の地酒「香住鶴」もなかなかいい味でした。

窓も開閉可能、床は木張りでした。

旅館の人に見送られ、近くのバス停「下の浜」から(香住駅からバスで
10分ほど)、「あまるべ」行き9:40発の全但バスに乗車。
日曜日だったのですが、この日のバスの運行はこれにて終了(!)。
旅館の人も、「バスで餘部まで行く」と話すと、たいそう驚いておられました。
「たぶん誰も乗ってないと思いますよ」の言葉通り、車内は私たち夫婦以外乗客ゼロ。
それでも少し古ぼけた車内と、外の鮮やかな田んぼの風景が、
列車とはまた違う情緒を感じさせてくれました。

いくつかトンネルを抜け、峠を越えると、遠くに餘部鉄橋が見えてきました。
私は何度も撮影に来たことがあるので、さすがにもう驚きませんが、
空中に突如出現した鉄橋に、はじめての嫁は興奮気味です。
鉄橋の手前には、香美町が建てた
「さようなら余部鉄橋 ありがとう余部鉄橋」のモニュメントが。
鉄橋の最期が迫っていることを、改めて実感しました。

この時間はまだ日も差していました。

餘部鉄橋(JRの駅名「餘部」にならい、旧字体で表記します)は、
1912年に完成した、当時東洋一の高さ(41m)を誇った、
トレッスル式の鉄橋です。現在でもこの方式(橋脚部に鉄骨によるトラス構造を持った橋)では、
日本一の規模を誇ります。巨額の費用をかけ、難工事の末に完成した餘部鉄橋。
しかし経年劣化に加え、強風(特に冬場)による列車の運休が重なり、
来年の春からすぐ横にコンクリート橋を建設することが決まりました
このままいくと、2010年には現在の鉄橋は、解体されることになります。

待合室がある以外は何もないバス停

10分ほどで、鉄橋の真下にある「あまるべ浜」バス停に到着。

バス停から国道178号線を少し東へ進んだところで、農業倉庫の横に
鉄橋と田んぼが見渡せる空き地を発見。嫁は旅館でもらったお絵かきセットで
水彩画を描くというので、列車が来るまでの間、私はその辺を探検しに行きました。

国道をしばらく東へ行くと、杉林に囲まれた神社を発見。
階段をのぼったところにあるので、鉄橋を撮るには都合がいいかもしれません。

無人の神社でしたが(神社名を控えてくるのを忘れてしまった・・・)、
地区の方々の手入れが行き届いており、緑に囲まれ落ち着く神社でした。

予想通り、鉄橋とまわりの風景が見下ろせる場所を発見
最近の田舎は、どこも過疎化が進み、荒れ果てたところが多いのですが、
ここ余部(地名は香美町余部区)は、田んぼや畑、川や木々に至るまで、
人の手がきちんと入り、美しい農村の風景が残されています。

望遠で鉄橋を抜いてみました。
この日は京都からはるばる運んできた、久しぶりに使う我が愛機・
PENTAX LX もフル稼働です。
デジカメに慣れすぎていたので、
フィルムカメラの勘を取り戻すのに少し時間がかかりましたが。
餘部鉄橋と言えば、「海を見下ろす鉄橋」のイメージが強かったのですが、
視点を変えてみると、緑深い山村を走る鉄橋でもあったんですね。

さあ、1時間ほど待ってやっと最初の列車がやって来ました(つづく)。


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