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夏の想ひ出 その3~天かける国鉄の風 餘部鉄橋(パート2) [歩いて撮ろう(鉄道編)]

時折吹く、海からのさわやかな風に揺れる、緑濃い田んぼ。
その中に点在する、どっしりとした造りの民家。
そして何よりも、100年近くこの地に根づいてきた、餘部鉄橋。
その美しさに、何も言葉が見つかりません。

誰か滑り落ちないか心配になりました

列車が、餘部鉄橋の付け根にある、餘部駅に到着したとき。
駅の真上にある、鉄橋を見下ろすスポット(通称「お立ち台」)には、
カメラを構えた人たちが山盛り(3~40人は居たように思えました)。
普段はがら空きの山陰本線も、さぞかし潤っている・・・と思いきや、
列車が出発すると、みなさんゾロゾロと駅から麓まで降りて来るではありませんか。
麓の国道沿いには、観光バスが何台も。鉄橋掛け替えを聞きつけて、
このあたりのツアーには、鉄橋見学が追加されたようです。
鉄道旅行好きの私としては、複雑な心境です。

2本ほど列車(どちらも赤いキハ47でした)を撮影し、少し時間が空くので、
もう少し海側に移動することにしました。ちょうど嫁の絵も描き上がったようなので、
歩いて10分ほどの余部漁港にやってきました。漁も終わり、人気のない
漁港はお昼寝モードです。近所の兄ちゃん達が、釣り竿を垂らしたり、
防波堤で寝そべって、太陽をいっぱいに浴びながら昼寝をしたり。のどかです。
私たちも防波堤に腰を落ち着け、嫁は2枚目の絵を描き始めました。

泊まった旅館の近くにお店がなかったため、お昼ご飯が調達できてません。
鉄橋の麓の喫茶店で食べようか、とも思いましたが、せっかく海が見える所に
いるので、バスで走っているときに見かけた、雑貨屋さんに行くことにしました。
その途中、鉄橋を真下から撮ってみました。凄まじい存在感です。
線路の下は吹き抜けのようになっていて、線路越しに空が見えます。
この頃から雲が出始めて、青い空が隠れてしまいました。


撮影には便利でしたが、この1週間ぐらい後に閉店されました(貼り紙がありました)。
現地で食料調達は難しいです。今から行かれる方はご注意を。

11時前に列車が通ってから、13時前まで2時間も(!)鉄橋を通過する
列車はありません。
あんなに人がいたお立ち台も、みんなお昼ご飯を
とっているのか、人の姿がありません。私たちも雑貨屋さんで買った
菓子パンで簡単なお昼ご飯。おかずは透き通るような海辺の風景です。
無数の魚の群れが、時折顔を出す陽の光に照らされ、キラキラ光ります。

ようやく鉄橋に列車の姿が戻ってきました。
普通列車を2本撮ったあと、今日のメインゲスト、特急「はまかぜ1号」
お出迎えします。今やここでしか目にすることができない、国鉄時代から
走り続けてきた栄光の特急形気動車、キハ181系での運行です。
気動車好きの私には、あのターボチャージャーをうならせ、電車顔負けの
走りを見せる姿がたまりません。絵を描き終え、退屈していた嫁も、
ダンナの興奮した姿に圧倒されたのか、横でビデオを回しはじめました。

お盆や冬場のカニの時期は、最大7両編成が見られますが、
夏休み前の今日は4両編成。それでも鉄橋を悠然と渡っていく姿は、
さすが特急列車、と言わせるものでした。広角過ぎて、ちょっと列車が
小さくなりすぎたのは失敗でしたが。


手書きの看板。あっちこっちにありました。

城崎への列車に乗るため、後ろ髪をひかれながら、餘部駅へ向かいます。
民家の庭先へと続く、駅への標識。細く曲がりくねった路地。観光地化していない、
落ち着いた街並みに、思わずシャッターを切ります。

お値段は1枚500円、高いか安いか・・・

そんな落ち着いた余部の街にも、少し変化が。
民家の軒先で観光客向けに、餘部鉄橋+列車の写真が
無人販売されていました。
野菜はよく見かけますが、写真は初めて見ました(笑)
私は自分で撮りたいので買いませんが、観光の方には
渋いお土産としていいかもしれませんね。

落ち着いた街並みに、一見合いそうもない、真っ赤な鉄橋。
でも餘部鉄橋が、茶色グレーだったなら、ここまで印象に残る景色に
なったでしょうか。ここまで人々を惹きつけられたでしょうか。
2005年7月にお色直しがおこなわれ、最後の輝きを放つ鉄橋。
その姿を、私たちは永遠に忘れることはないでしょう。

立派な展望スポットです

混雑していましたが、久しぶりにお立ち台にも行ってみました。
2001年の真冬に、キハ58「かにかに但馬」を撮影しに来て以来です。
あの頃はまだそれほど訪れる人もなく、お立ち台も木や雑草が茂り、
鉄橋が見えづらかったのですが、来てみてビックリ。
鉄橋を遮っていた木は伐採され、100人くらいは鉄橋を眺められる、
ちょっとした公園のようになっていました。おかげで鉄橋の良い写真が撮れました。

車内は鉄橋帰りの人たちで大混雑

入線してきた、赤いキハ47。車内にはいると、すかさず進行方向左側の
窓を開け、カメラを構えます。さっきまで居た漁港が、遙か下にひろがります。
観光駐車場からは、たくさんの人が手を振って見送ってくれました。

そのあと香住で、私たちを追い越す「はまかぜ4号」の出発シーンを撮り、


気動車の醍醐味は、この排気煙です(萌)

城崎駅前の温泉浴場「さとの湯」で、潮風と汗でベトベトになった身体を洗い流し、


新しい施設ですが、落ち着いた良い所でした。屋上露天風呂は気分爽快でした

京都への直通特急「きのさき10号」で帰路につきました。
餘部では、野外での撮影で熱中症にならないか心配していましたが、
海沿いで風があるというのは、あんなにも暑さを和らげてくれるということを
身をもって体験できました。
京都駅に着いて、車内から出たときが
この日一番暑く感じました(苦笑)。

嫁の絵は額に入れて飾ってます

ダンナの鉄道趣味に引っ張り回され、いつ怒り出すかと
心配していた嫁ですが、旅館のお絵かきセットのおかげで、
予想以上に喜んでくれました。よかったよかった。

実は一ヶ月後の10月21日、
餘部鉄橋をこれが最後になるであろう、キハ58系4両編成の
急行「あまるべ」が走ります。
私がJRのHPから運行時刻などをプリントし、
予定を立てていると、「私も行きたい」と言い出しました。
全額自己負担、往復高速バスでの日帰りの予定が、嫁が行くおかげで
費用は家計持ち、撮影後は浜坂の温泉旅館に泊まれることになったのは、
思わぬ収穫でしたが(笑)。
嫁は日本海の絶景と、温泉が目当てのようですが、
私の目にはキハ58系しか映りません。どんな旅行になるのでしょうか・・・(おわり)。


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